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2016年4月 2日 (土)

県立高校再編へ動き出す

先月末のことですが、
県教委の外部有識者会議である
「岐阜県立高等学校活性化計画策定委員会」が
2年間の審議の「まとめ」を
教育長に対して提出したとのことです。
以下はそれを予告した県教委の発表です。
 
県教委の報道発表(2016/3/22)から引用-
平成26年度から平成30年度までの5年間を計画期間とする教育振興基本計画として、平成26年3月に第2次岐阜県教育ビジョン」を策定しました。この「第2次岐阜県教育ビジョン」の中で、「中長期的な将来を見据えた高等学校の改革」を重点政策の一つと位置付け、生徒減少期に向けた活力と魅力ある高校づくりのための活性化策を検討するため、平成26年4月に岐阜県立高等学校活性化計画策定委員会を設置し、ご審議いただいてまいりました。このたび、下記のとおり「審議まとめ」をいただくことになりましたので、お知らせします。
-引用終わり-
 
この予告を受けて、
去る2016年3月29日(火)に、
「岐阜県立高等学校活性化計画策定委員会」から
「審議まとめ」が教育長に提出され、
その後、記者会見が行われたようです。
各紙の記事は、こんな感じ。
 
 
この「審議まとめ」については
県庁のサイトにも、
このようなページが設けられ
その全文を読むことができます。
この中の審議まとめ【概要】(PDF)が、
内容をコンパクトにまとめていますね。
 
 
この会議の目的は
「活力と魅力ある高校づくりのための活性化策」の検討
ということなんですが、
とりわけ世間の注目は、
少子化が進んでいく中で
今後どの高校が
再編統合される可能性があるのかということ。
 
今回の審議まとめでは、
再編統合の検討対象となる19校が、
「グループ1」(今から検討するよ)
「グループ2」(近い将来考えるよ)
2つに区分されて挙げられています。
 
<グループ1>
現在すでに1学年3学級以下か、
2019年度までに3学級以下になる見込みの
合計10校。
不破、郡上北、八百津、東濃、土岐紅陵、恵那南、坂下、飛騨神岡、瑞浪、高山工業
 
<グループ2>
2020年度から2028年度までに
1学年3学級以下になることが見込まれる
合計9校。
山県、揖斐、池田、海津明誠、関有知、恵那農、中津商、中津川工、吉城
 
 
1学年3学級というのは
「高校は1学年4~8学級が望ましい」という
基準に基づいています。
この基準は、以前から示されていましたね。
 
 
「グループ1」について。
「グループ1」の高校では、
まず地元で活性化策の議論をする
→県が出願者数の基準を設け、
それを下回る場合には再編統合の対象にする、
という流れのようです。
いきなり統廃合に向けて走り出すのではなく、
一定の猶予を設けるという軟着陸策なのでしょう。
 
このグループ1、西濃学区からは
不破高校だけが入っています。
不破高校は、
ずいぶん前の全県的な学科見直しの中で
単位制普通科に移行して
活路を見いだそうとしましたが、
生徒募集に関してはうまくいっていません。
この春も、不破高校は
第一次選抜で大きく定員割れして
(他方で大垣養老(の農業科)などが大幅な定員超過=不合格者を出したこともあって)、
第二次選抜には相当数の出願者が集まりましたが、
それでも最終的に定員は埋まりませんでした。
ここしばらくずっと
定員割れの状態が続いていますから、
存続のための生徒数基準などを設けられると
現状では厳しいでしょうね。
今回出された「審議まとめ」には
この不破高校に対して
具体的な活性化の方向性まで
示唆しています。
こんなことが書いてあるんですよね。
 
-「審議まとめ」からの引用-
西濃学区では、多部制高校やいわゆるサポート校等、柔軟なカリキュラムをもつ全日制タイプの高校に対するニーズが高い状況にある。
-引用終わりー
 
つまり、「多部制高校」への移行も
活性化策の一つとして考えられますよ
という提案にも読めます。
多部制高校というのは
華陽フロンティア高校のような
定時制・通信制高校ですね。
近年、公立・私立を問わず
人気があるタイプの高校ではあります。
 
果たして不破高校が
こうした学校の衣替えで乗り切れるのか、
それとも統廃合の対象となるのか。
もし統廃合するとなったときには、
以前の高校再編時のように
他校との統合という形をとるのか。
他校との統合ならどこと統合するのか。
不破高校の「隣の高校」としては
3つの高校が考えられますが、
そのうちのどの高校と
統合することになるのか。
これが西濃学区での最初の注目点です。
 
 
「グループ2」について。
とりあえず今回のところは
統廃合まで視野に入れていないが、
将来的な統廃合の可能性を予告されている
「統廃合予備軍」ともいうべき県立高校です。
今回の報告では
「活性化を進める現在の取り組みを維持・発展するよう求める」
とだけ言われています。
ただし、一部の高校については、
学科やコースの再編まで
求められているところもあります。
この「グループ2」には、西濃学区から
揖斐、池田、海津明誠
3校もエントリーしています。
 
これら3校について、
今回の「審議まとめ」では
その姿を大きく変えるような
具体的な提案はありませんが、
こうして名前を挙げられていますので
今後どうなっていくか
注意して見ていかざるを得ません。
このまま少子化が進めば
いずれ、影響を受けることは
避けられないでしょうね。
 
 
逆に言うと、これら以外、
12年後の2028年度までを見通したという
今回の「審議まとめ」で、
統廃合の検討対象として
名前が出なかった高校は、
十数年先まで消える心配は無いだろうと
考えてもよいのでしょう。
よく、大垣市内の普通科高校の行く末について
いろいろな噂が流れているのを耳にしますが、
そうした心配(?)は当面は無いと書いて
差し支えなさそうです。
 
 
なお、この「審議まとめ」では、
「再編統合検討対象校」の指定以外にも
高校改革の数々の提案が盛り込まれています。
以下、この地方に関係のあるものを中心に
書いておきます。
 
 

 

1)「理数科」→「探究科」への改編提案
岐山、大垣東、多治見、恵那の4校に対して、
今ある「理数科」を「探究科(仮称)」に
改編することを提案しています。
「探究科(仮称)」というのは
課題探究型学習を推進する学科
ということのようです。
この「課題探究型学習」については
検索すると全国のいろんな実例が出てきますから
興味のある方は調べてみてください。
 
現在、理数科は人気が出ていません。
理数科の取り組みを見てみると
面白いことをやっているなあと思うのですが、
「理数科」という名前がいけないのか、
理数系の学習そのものに人気が無いのか、
あるいは入学後の融通の利かなさのせいか
(普通科に入れば文理の選択は入学後に考えられるが理数科ではそうはいかない)
敬遠されがちで、
学科単位では定員割れを起こしている高校が
目立ちます(大垣東も岐山もそうですね)。
その結果、普通科を第一志望にしながら
普通科の定員から漏れた受験生が、
第2志望の理数科に合格しています。
(だから理数科が定員割れしていても全員合格するわけではないので要注意)
不本意ながら理数科に進んだという受験生が
一定数いるという状況です。
「課題探究型学習」をする学科に移行して、
理系とか文系といった縛りから解放されれば
志願者は増えるかもしれませんね。
内容的にも、普通科の一般的な教科学習よりは
面白いものになるのではないかと思いますから、
(難しそうと思われる可能性もありますが)
生徒たちにうまく認知されれば
ひょっとすると人気学科になるかもしれません。
 
なお、同じく理数科を抱える
他の高校についても
この「まとめ」では言及しています。
たとえば各務原高校については、
理数科だけでなく英語科も廃止して
普通科単独にするよう提案しています。
吉城高校は、先に述べた
「グループ2」に入っていますので
学校全体の活性化策が
求められています。
また、「理数科」ではありませんが
多治見高校の自然科学コースも
廃止して普通科に統合するよう
提案されています。
 
 
2)「国際バカロレア」の研究を提案
大垣北高校に
国際バカロレアコースを設置することを
提案しています。
「国際バカロレア」については、
私が説明するよりも、
こちらをご覧いただくほうが早いでしょう。
大垣北高校は現在、
スーパーグローバルハイスクール(SGH)の
取り組みを進めていますから
その方向性を後押しする提案ですね。
 
なお、岐阜高校に対しても
「国際バカロレアの研究をせよ」
という提案がありますが、
大垣北高校のような
「コース設置」の提案になっていないのは
次の3)との絡みでしょうか。
 
3)岐阜高校に単位制普通科導入を提案
岐阜高校をこれ以上「活性化」させて
どうするの?と個人的には思いましたが、
こんな提案も入っていたんですよね。
単位制になれというのですから
国際バカロレアについても
「コースを設置しなさい」ではなく
「対応したカリキュラムを用意しなさい」
という提案になるのでしょうか。
 
4)山県高校や羽島高校の総合学科改編を提案
今は普通科の両校ですが、
高校から先の進路を考えても
専門学科的な方向を強めた方がいいという
審議まとめでの提案内容は
その通りでしょうね。
 
5)飛騨学区に多部制高校の設置を検討
飛騨地区には
従来型の「夜間定時制」しかないので
多部制を作ってはどうかという提案です。
 
 
そのほか、まだまだいろいろ書いてあります。
 
 
・県立の中高一貫校(中等教育学校、併設型中高一貫教育校)については「今後も継続して検討する」と書いてあります。つまりこの「お役所言葉」を普通の言葉に変換すると、「今のところやる予定はない」ということです(以前、知事も言っていましたね)。
 
・中堅どころの普通科高校には「選抜性の高い大学への進学という目的に特化したコースを積極的に設け」なさいとも書いてありますね。といっても、この地区では既に大垣西や池田に「応用クラス」「習熟クラス」といった名称でそういうクラスはありますね。
 
・通学区域については「今後も引き続き検討」、つまりこれも変換しますと「今回は何も変えません」という内容になっています。隣接学区への出願許可の流れを加速させて、一気に全県一学区にするところまでは考えていないようです。他県の生徒受け入れについても消極的です。
 
 
 
この「審議まとめ」の趣旨を踏まえて
県教委がこれから
「岐阜県立高等学校活性化計画(仮称)」を
策定するとのこと。
2016年度中に作るということですので、
来年の今頃には、
この「審議まとめ」に
書かれたような内容が
(一部修正など加えられながら)
正式な文書として
出来上がってくるということでしょう。
特に「グループ1」に指定された
不破高校を含む10校については、
再編統合についての具体的な話が
出てくるかもしれません。
 
今後しばらくは、
高校入試の制度ではなく、
高校再編に注目が集まりそうです。

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